品川・御殿山情報

2017.04/05

尾張屋:
老舗呉服店で日本文化を気軽に楽しむ

ショーケースには立派なお神輿が飾られています。

東海道第一の宿場として栄えた、品川宿の賑わいを残す北品川商店街。その通り沿いに建つ「尾張屋」は明治23年の創業以来、地元の人々に長く愛されている呉服店です。老舗呉服店ときくと、さぞかし格式が高かろうと身構えてしまいそうですが、実は反物や和装小物以外にも、半纏など祭り用品も一式取り揃えている、気安く入りやすいお店なのです。

堂々と掲げられた「創業明治二十三年」の文字。

まず目を引くのはショールームに飾られたお神輿。6月の品川神社例大祭で担ぎ出される北品川二丁目町会のお神輿が、訪れる人をドドーンとお出迎えしてくれます。店主の大橋登さんのお話では、お神輿に心惹かれて店の前で足を止める外国人観光客も多いとか。

店内には反物や帯、和装小物などがずらり。 「尾張屋」の歴代店舗の写真や絵が飾られています。

店内に入ると、右手に反物が、中央から左手には帯や足袋などの和装小物が所狭しと並べられています。小上がりの壁には創業当時の店舗が描かれた絵画や、昭和初期の店舗を写した写真などが飾られており、お店の長い歴史を感じさせます。かつては会計時に使っていたという五つ珠の算盤も大切に残されていました。

ショルダーバッグとして使える「合財」「道中」「小物入れ」。

お店がもっとも繁盛するのは、やはりお祭りの時期。半纏や鯉口シャツ、地下足袋など、お祭り用の装いが一式揃うとあって、わざわざ遠くから訪れる方もいらっしゃるそう。しかも、祭りのときに貴重品を入れておける「合財」や「道中」などのバッグ類は都内の工房でつくられたオリジナルです。そこには、「せっかくなら手作業でつくられた、心が込もったものを用意したい」という大橋さんの想いが表れています。ちなみにバッグ類は着物に合わせてオーダーも可能です(「道中」5200円〜、「合財」5500円〜)。

手づくりの「かえる」は、実は隠れた人気商品。

そしてお店で人気なのが、その“心が込もった手づくり小物”。なかでも、着物の端切れでつくられた「かえる」シリーズは「無事かえる」という意味があり、お守りとしても評判です。置物タイプや根付タイプなど、大きさもデザインもさまざま。実は、すべて大橋さんのお姉様が丁寧につくっているものなのです。

五代目店主の大橋登さん。

最近では、家にある着物のお直しやクリーニングなどの依頼も多いとのこと。なかには、「着物のたたみ方がわからない」という相談を受けることも。そんな些細な相談にも快く応えてくれるのが、この「尾張屋」の最大の魅力といえるでしょう。

お土産に買って帰る人も多い、和柄の手ぬぐい。

着物や浴衣を誂えるときはもちろん、祭り用品を揃えるときも、普段の装いに和の小物を取り入れたいときも、さらには海外のご友人へのお土産を選ぶときも、きっと力になってくれるお店です。

装いがランクアップする柄足袋もいろいろ。

装いがランクアップする柄足袋もいろいろ。

「ゑりと小物で引き立つ和装」と刻まれた五つ珠の算盤を発見。

「ゑりと小物で引き立つ和装」と刻まれた五つ珠の算盤を発見。

名称
尾張屋
住所
東京都品川区北品川2-4-21
TEL
03-3471-3748
営業時間
8:00〜18:30
定休日
日曜日
URL
http://www008.upp.so-net.ne.jp/kimono-owariya/