品川・御殿山情報

2018.02/01

しながわ翁:
江戸の蕎麦はファーストフードの原点

透明感のある清らかな「もりそば ざる」800円。

てんぷらや鰻、寿司といった昔ながらの料理のなかでも、やはり蕎麦は江戸料理の代表格。江戸時代に品川宿として栄えた品川や御殿山周辺で食べるなら、とっておきの蕎麦店に行きたいところです。今回は、北品川にある人気の蕎麦店「しながわ翁」をご紹介します。

北品川駅から徒歩3分の場所に、ひっそりと佇むお店です。

オープンしたのは2000年の12月。老舗が多く存在する東京の蕎麦店としては比較的新しい店ですが、『ミシュランガイド東京』に掲載されるなど、その蕎麦の味には多くのファンがいます。

人懐っこい笑顔がすてきな高野幸久さん。

店主の高野幸久さんは食堂を営む家に生まれました。一時は会社に勤めたこともありましたが、「料理の世界で、自分の色で勝負をしたい」と店をもつことを決意。以前から興味のあった蕎麦職人を目指しました。

高野さんの兄弟弟子の方々の店舗名がずらり。

そして門を叩いたのが、蕎麦界にその人ありと言われた名人・高橋邦弘さんの店『翁』。高野さんは師匠の二八蕎麦を習得しようと1年半しっかりと修業したそうです。

蕎麦の実は、殻をとった丸抜きの状態で仕入れています。

そんな『しながわ翁』の代表的な蕎麦「もりそば ざる」は透明感があり、清らかな印象のほっそりとした姿が特徴的。するすると喉越しもよく、噛むとふんわりと蕎麦の香りが広がります。本枯れ節を使ったキレのあるつゆをつけてすすると、なんとも晴れ晴れとした爽快な気分に。

2階の打ち場には蕎麦の実を挽くための石臼が。

こちらでは、殻をとった状態の“丸抜き”で仕入れた蕎麦の実を前日までに石臼で丁寧に挽いています。石臼で挽くのは、熱が発生しない程度にゆっくりと挽くことで蕎麦の香りを損なわないため。その挽きたての香り高い粉を店内2階の打ち場で打っているのです。

大葉やねぎ、ゆず、蕎麦の実などが入った「焼きみそ」320円。

もりそばには標準的な細さの「ざる」と黒っぽくて太めの「田舎」の2種があるほか、あたたかい蕎麦には「月見そば」や「鴨南蛮そば」などもあります。「焼きみそ」や「板わさ」、「冷や奴」といったおつまみもあるので、お酒を少しいただいてから蕎麦で〆るのも粋。2名より予約可能な全9品の「夜つまみセット」もあるので、気のおけない相手と酒を楽しみたい人にはおすすめです。

和やかな雰囲気が漂う、居心地のよい店内。

「蕎麦はファーストフードです。つくるほうも早く、食べる方も早く、が理想です。のびないうちにお召し上がりください」と高野さん。季節限定のお蕎麦や季節の日本酒などもあるので、季節ごとに訪れたくなる蕎麦店です。

麺棒や蕎麦包丁など、高野さん愛用の道具たち。

麺棒や蕎麦包丁など、高野さん愛用の道具たち。

愛用の麺棒は、イチローのバットを手がける職人によるもの。

愛用の麺棒は、イチローのバットを手がける職人によるもの。

名称
しながわ翁
住所
東京都品川区北品川1-8-14
TEL
03-3471-0967
営業時間
11:00〜14:30L.O. 土祝10:00〜14:30L.O.
17:30〜20:00L.O.(平日の水木金のみの営業)
定休日
日曜、第2・4・5月曜
URL
http://www009.upp.so-net.ne.jp/sinagawa-okina/