品川・御殿山情報

2016.02/10

和菓子老舗 枡翁軒:
食べたら止まらなくなる、魅惑の“焼き団子”!

昔の面影を残して改築された店舗。以前は甘味処があったとのこと。

東海道を行く旅の途中、お茶と団子でちょっと一服……。そんな光景をテレビの時代劇などで見たことがある人は多いはず。あたたかいお茶とふっくらとした団子は、昔から旅人の疲れを癒していたのでしょう。ここ「枡翁軒」は東海道の第一宿である品川宿の入口にある和菓子店。名物“焼き団子”のほか、手作りの和菓子がショーケースに並んでいます。

100年以上続く老舗であることを証明する賞状が。

「うちの店があるのは北品川本通り商店街の端っこ。東海道の品川宿の入口にあたる場所なんだよ。江戸へ向かう人にとっては出口だけどね(笑)。江戸時代の品川宿は、それはもう賑やかだったらしいよ。芝居小屋なんかがあってさ。うちは200年くらいやってるんだけど、もとは茶店だったの。女性がいる店にお茶菓子を出したりね。そんな話を爺さんや曾婆さんからよく聞いたよ。僕はもう80になるんだけど、このへんでは一番古くなってきたねぇ」

「枡翁軒」の名物“焼き団子”は5本セットで500円。

 そんな小気味好いトークで楽しませてくれるのは、「枡翁軒」の6代目である岩瀬吉二郎さん。毎朝、店に並ぶすべての生菓子を手作りしていらっしゃいます。お店の一番人気は“焼き団子”。石臼で挽いて杵でつき、一つひとつ手で丸められたお団子は、モチモチとしっかりした歯ごたえ。甘辛いタレと焼き目の香ばしさも相まって、夢中で食べてしまうおいしさです。甘さは控えめなので飽きもこず、ついついもう1本と手が伸びてしまう、食べ過ぎ必至なお団子。ご近所さんにも観光客にも大人気の、名物和菓子なのです。

小豆たっぷりの大納言かのこ1個170円。

 他には大納言かのこや村雨まんじゅう、どら焼きなど優しい甘みの和菓子が並び、桜もちやかしわもちといった季節ものも人気。種類が豊富なので、どれにしようか迷ってしまうところですが、岩瀬さんは自分の勘で選ぶのが一番とおっしゃいます。

きな粉がたっぷりまぶされた翁もち、1個140円。

「オススメはどれですか、なんて聞かれても困っちゃう。だって、全部うちで作っていて、全部がオススメなんだから。僕にとって和菓子は子どもみたいなもの。どの子どもが一番かわいいかなんて、選べるわけないでしょ。お店に入ってまず目に付いたものを買ってみてください。それで気に入ったものを、また買ってくれれば」

岩瀬さんとの会話を楽しみに店へ通う人も多い。

 東海道を辿る北品川&御殿山散策の折には、まず「枡翁軒」に立ち寄って、焼き団子をいただきながら江戸時代の品川宿の賑わいに思いを馳せてみるのはいかがでしょう。

“ますます繁盛”の「枡」と長寿を願う「翁」が飾られています。

“ますます繁盛”の「枡」と長寿を願う「翁」が飾られています。

店内の隅に置かれた、年季の入った木製の菓子箱。

店内の隅に置かれた、年季の入った木製の菓子箱。

名称
和菓子老舗 枡翁軒
住所
東京都品川区北品川1-2-8
TEL
03-3471-3385
営業時間
8:00〜20:00
定休日
不定休