品川・御殿山情報

2016.02/25

KAIDO books & coffee:
今すぐ、旅に出かけたくなるブックカフェ

広々とした1階。ご注文は奥のカウンターで。

2015年8月にオープンした「KAIDO books & coffee」。KAIDOとは、街道もしくは東海道の海道のこと。かつて品川宿が東海道の第一宿として全国からやってきた旅人たちで賑わったように、各地のさまざまな文化や情報が集まる場所であるようにと名付けられました。居心地の良い空間に、おいしいコーヒーに……と立ち寄る理由はいくつも挙げられますが、一番の魅力はやはりブックカフェならではの蔵書の豊かさです。

北海道から沖縄まで、本を通じて全国各地の魅力に触れることができます。

蔵書の総数は約4万冊。そのほとんどが、立ち上げメンバーのひとりである田中義巳さんが全国の街道を歩いて集めたものというから驚きです。さらに全国の市区町村から寄贈されたものが加わり、蔵書のうちの約1万冊が店内2階に並べられています。

“江戸”にまつわる本が並ぶコーナー。

2階のフロアをぐるりと囲むように設置された本棚には、食べ物、地図、寺社などジャンル別に本が整理されています。旧東海道沿いにあるカフェらしく、江戸に関する本も充実。なかには歌川広重による浮世絵木版画の傑作『歌川広重 名所江戸百景』の大型本も。そんな魅惑のラインナップから気の向くままに一冊を選んで、1階で注文した飲み物を味わいながら、好きな場所で本を読んで過ごせるのです。

倉敷にまつわる本や雑貨を集めたコーナー。

本棚には本だけでなく民芸品や雑貨が置かれているコーナーもあります。それは、岡山県倉敷市、滋賀県長浜市など、定期的に一都市をピックアップして、その土地の魅力を紹介するコーナーです。倉敷の展示では、『日本ジーンズ物語』や『くらしきの野鳥』など倉敷にまつわる本のほか、備前焼のカップやデニムでつくられた眼鏡が展示されていました。また、展示中は岡山県の果物を使用した蜂蜜ジャムも販売されていたそうです。そんな風に、店内で出合った本や民芸品などを通して歴史や文化、産業について知るにつけ、思わずその地へ出かけたくなってしまいます。

カフェラテ510円(テイクアウトは480円)と、焼き菓子「品川白煉瓦」1個100円。

そして、店内で出されるコーヒーにもご注目を。各地の信頼できるロースターから取り寄せたスペシャルティコーヒーは、常に4種ほどが揃えられ、豆と抽出方法を選んでオーダーすることが可能。トレーニングを積んだバリスタが丁寧に淹れてくれたコーヒーを飲みながら、手にした本のページをめくると、読書の時間がちょっぴり贅沢なひとときに変わります。

以前は金物店だったという建物を改装。

写真展やワークショップ、映画上映会などのイベントも頻繁に開催されている「KAIDO books & coffee」。訪れれば必ず出会いがあり、発見があるはずです。旅に出る前の情報収集に、新しい何かを始めるきっかけ探しに、あるいはただのんびりとくつろぐために。さまざまな人にとって、新しいこと、もの、人との“交差点”となる場所です。

色彩鮮やかで見応えのある歌川広重『名所江戸百景』。

色彩鮮やかで見応えのある歌川広重『名所江戸百景』。

「かつて旅の起点だった品川で、“旅に行きたくなるカフェ”をつくりたかったんです」と代表の佐藤亮太さん。

「かつて旅の起点だった品川で、“旅に行きたくなるカフェ”をつくりたかったんです」と代表の佐藤亮太さん。

名称
KAIDO books & coffee
住所
東京都品川区北品川2-3-7丸屋ビル1階
TEL
03-6433-0906
営業時間
8:30〜19:30
定休日
火曜
URL
http://kaido.tokyo